21世紀をたのしむ「昴」俳句会
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季節の窓 八十八夜の髭豊かなり佐久の鯉 長沼ひろ志
2008-10-31-Fri  CATEGORY: 昴 9号
季節の窓

八十八夜の髭豊かなり佐久の鯉  長沼 ひろ志

 信州に生まれ育った作者の風土性豊かな作品である。
〈冷やされて牛の貫禄静かなり〉という秋元不死男の作品を彷彿とさせる。
俳句は「もの」で決めるとするのが不死男の信条であり、大きな牛の背中や、
その静かな息づかいや顔かたちなどが如実に迫るあたりが一句の貫禄にも
つながっている。嘗て師八束は「もの」から「こと」の世界への飛躍を
目指しての模索に挑戦しつづけ、北欧の白夜やシルクロードの仮幻の世界に
そのいとぐちを求めていたことが思い出される。揚句はあくまでも信州という
風土の中で丸々と育ち、豊かな髭をたくわえて息づく鯉の生態を如実に
表現して成功している。しかも「八十八夜」という季節感豊かな季語を
上五に据えて、その陰影を殊更にきわ立たせて効を奏している。
光と影の対照から高村光太郎のすぐれた彫刻をも思い浮かばせる作品と
なっている。

(早瀬 秋彦)

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