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画家と長寿  藤原 香人
2008-10-28-Tue  CATEGORY: 昴 9号
画家と長寿  藤原 香人

 「画家の長寿を探る」という展覧会が東京の練馬区立美術館で開かれていた
ので出掛けた。入口は「芸術は寿いのちなが し―画家に長寿が多いわけ」と
いった大きな看板がかかっていた。
 日本人の平均寿命は男七八・七九歳、女八五・七五歳と世界でナンバーワン
の長寿国となった。本当に少子高齢化社会を歩んでいる。この展覧会には、今
年百歳になった練馬区在住の品川工たくみさんの最近作なども展示されている。
 このコレクション展は、八十歳を超えて生きた画家二十四人の、青年期から
晩年までの作品を制作した時の年齢とともに展示し、長生きした理由と思われ
る画家の言葉を紹介している。
 その一人、洋画家の寺山義雄さんは、明治二十七年に横須賀市生れ、北海道
根室で代用教員をしながら制作をつづけ、大正十年に渡仏、マティスに色彩表
現を賞賛されたという。昭和十年に帰国、制作をつづけた。寺山さんは「絵描
きは展覧会も死んでからやってもらうのがよい。あんな事をしていると絵を描
くひまがない佐伯祐三のように二十歳台で仕事する人もいるが、私はのろまに
生きて来たのでしかたがない。まだ九十四歳と八ヶ月、元気なうちにだれにも
わずらわされないところで絵を描きたい。冷水マサツと、二百数えるまで逆立
ちをやっているからもう一度絵を勉強したい。死ぬところはどこでもよい、ど
っちに転んでもおんなじだと―」。寺山さんは平成八年十月九日、百二歳で死
去された。
 品川さんの版画展は、戦後の四十七年に制作した「石仏」「雲」から今年一
月にこの展示会のために制作した「流動するフォルム」まで六十四点を展示し
ている。
 品川さんは、百歳になっても、自分の思っていることを作品を通して伝えた
いと語ってくれた。杉並区から来たという大山さんは、「私のような素人の目
にも、最近の作品ほど見た感じは明るく前向きな感じがする」と感想を聞かせ
てくれた。
 芸術家は、本人が亡くなった後、遺した作品とともに永く語りつがれ愛され
る。かつては「夭折の天才」たちが讃られることが多かったが、高齢化社会に
ともなって「長命の天才」の活躍が目をみはるものがある。

百歳の画伯凛たり春惜しむ  香 人


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