21世紀をたのしむ「昴」俳句会
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季節の窓  昴 8号
2008-06-29-Sun  CATEGORY: 昴 8号
季節の窓

 悴みて恨みつらみの中にをり  小林喜美子

 現代社会に生きる女性としての生活感覚の中から、鋭く発想された一句として注目した。掲句からはまず寒さに凍えている痩せぎすな女性の姿が思い浮かぶ。そして背後にはひしめくように立ち並ぶ高層ビルが黒々と聳えている。そのビルの中にはさまざまな人々が血走った眼を光らせなが右往左往している。現代という忌わしいメカニズムに操られながら、互いに傷つけ合い、喚き合いながら暮らしている。時計の針は冷たく時を刻み、パソコンは人間を従えてわがもの顔に明滅している。
 凍えている一女性は、長い年月の間、そうした現代のメカニズムの中で、終始怯え戦きながら生きて来、今も生き続けている。人間社会の化物じみた喧噪の渦が、彼女の周囲に今にも襲いかからんばかりに迫りくるめいている。ムンクの描く「叫び」のような情景がこの一句からは切実に滲み出してくる。
(早瀬秋彦)
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