21世紀をたのしむ「昴」俳句会
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昴題詠  陽炎、 菫   昴 8号
2008-06-29-Sun  CATEGORY: 昴 8号
昴題詠  陽炎、 菫    早瀬 秋彦 選

森田 幸子
老いてゆく余白も罪か濃かげろふ
すみれ草作務衣の藍の匂ひけり
かげろふやたましひ揺れてしまひたり

篠田 重好
日の差して元気にひらく冬菫
うづくまる山羊の鼻面菫咲く
かげろひの笑ひて母の顔となる

小林 量子
こゑ上げて泣きし遠き日陽炎へる
すみれ草大きな玻璃戸開け放ち
花すみれ金の紐とく誕生日

伊藤美沙子
陽炎や見えゐて遠き子の新居
すみれ咲く樹間にあをむ越の海
冬すみれ柱状節理の際に咲く

西村 友男
漱石の墓に一輪花すみれ
陽炎を曳き来る嬰の初歩き
身を修む訓あまたや陽炎へり

道官 佳郎
陽炎や醤ひしほ香もるる佐渡の蔵
隠れ耶蘇継ぎきし島のかげろへり
弥撒にゆく少女のヴェール菫草

長沼ひろ志
かげろふや婚の荷に足す手紙束
陽炎を突つ切つて来る託言かな
札所への径に憩ふやすみれ草

岡田 律夫
バイロンの影ひく城やかげろへる
陽炎や宇治橋わたる修行僧
花菫のこし父祖の地去りにけり

仁木 孝子
すみれ咲く児童五人の分教場
黒塚や鬼の岩屋の濃陽炎
かげろへる間あひ狂言の太郎冠者

岸本 正子
白菫の光りや従軍看護婦碑
陽炎や曖昧と言ふ世の逃げ処
菫濃し胸内に湧ける校歌かな

神戸 和子
野生馬の草食む丘やかげろひぬ
押し花のすみれの色や友の文
空襲に怯えし壕のすみれ草

吉田美智子
陽炎や夭折の友野に踊る
押し花のパンジーこぼる母の文
遠く病む友の声音や花すみれ

谷口 秀子
陽炎や一輪電車ゆれて来る
陽炎や噂さらりと聞き流す
若くして逝きし父の忌菫咲く

福冨 清子
兄たどる黄泉路に菫草もがな
男の子らの征きし鉄路やかげろへる
わが目路に鬼呵わらひをりかげろへり

森 万由子
陽炎や芥漂ふ船溜り
メルヘンの乏しき浮世かげろへり
すみれ野に響く鐘の音トラピスト

齊藤 良子
陽炎の彼方父母顕たつ十日かな
花菫風に舞ひ居り地獄谷

梨 豊子
すみれ草旧知の如し触れてみる
陽炎にかどはかされし身の不覚

久 篤子
かぎろへる天国の道思ふかな
苦しみの数だけ優しすみれ花

小林貴美子
参道につづく学舎陽炎へり
林檎の花に触れゐる父の肩車

松 守信
すみれ草馬の嘶く草千里
昇天のうからはらから陽炎へる
相澤 秀司
かげろいて静止画となるハイウェイ
千年の椨の木の蔭すみれ咲く

土田 京子
陽炎やちちはは無くて家残る
勝公妻子の墓や冬すみれ

齊藤眞理子
俯けど強さ秘めをりすみれ草
秩父なる巡礼古道かげろへる

渡邊 二郎
陽炎や我が身一片箍ゆるむ
俺の匂ひ待つ家ありて菫咲く

鈴木八重子
花菫童女のやうな友の笑み
陽炎や心の歪ひづみ見せまじく

藤原 香人
バス二台かげろいてをり石舞台
取り去りしふらここの跡赤くさび

久保田シズヲ
陽炎を震はせて鳴る警報器
現世の余白に生きて陽炎へり

佐々木久子
訪めゆかんブッセの空やかげろへる
甦る越路吹雪や菫咲く

星  道夫
花菫まじなひかけて水を遣やる
抱いてゐる猫逃げたがる菫の野

會澤 榮子
幾山河母と越え来しすみれ草
年金や昭和のどこか陽炎へり

今井千穂子
母に読みし 「スヌー物語」 かぎろひぬ
濃紫の菫の一輪黒薩摩

木島 幸子
すみれ咲く真澄の空や都井岬
賊軍となりし墓群かげろへる

橋 みえ
山道のひと息入れし菫かな
陽炎の遠き野に来て怯えゐる

伊沢トミ子
陽炎の中に消えゆくギター引き
菫咲く鳳莱山寺の羅漢たち

堀越 寿穂
美辞麗句並べ立てをり花菫
陽炎や母子の影の消えゆけり

篠崎 啓子
婚五十年事の数多や陽炎へる
菫苗店に溢れて頬緩む

石井 深也
老いてなほ夢を追ひをり野のすみれ
陽炎におのれの老いを見てゐたり

平野 欣治
陽炎へる子の六十年や夢の夢
菫咲く眞白き冨士を天上に

國分 利江
エンゼルの息のかヽりし冬すみれ
みちのくの泣虫こけし冬すみれ

西田 綾子
信濃路の山ふところや白すみれ
陽炎や馬頭観音辻にあり

本田ハズエ
長コースただ陽炎を突走る
花菫たつた一輪墓地に咲く

原  繁子
病みぬけし黄泉路の兄や菫草
陽炎や甲斐駒ヶ岳へ向け柩発つ

鈴木 昌子
虚子一族の墓域一輪野路すみれ
陽炎や子は機と共に飛び去りぬ

大竹  仁
試歩の道妻陽炎の中に佇つ
花菫縄文後期は海の底

藤沢 正幸
陽炎をくぐる隅田の十二橋
橋一つ渡りし畦の菫かな

内藤 宗之
追憶の中に咲きたる菫かな
かげろふや観音裏の万太郎碑

小山けさ子
丸髷の母の写真よすみれ草
逆境の我にかげろふまとひつく

山口 梅子
一点の染みなきままに白菫
卵つつむ母の姿のかぎろへる

井上  元
すみれ草共に摘みたる妹は亡し
地震ありし海の原発陽炎ひぬ

田中 洋子
香菫  にほひすみれ束ねて母の枕辺に
沼津市になりし戸田 へ だ 村陽炎へる

木島サイ子
かの径に会ひたき人や陽炎へる
花菫高畑颪に吹かれをり

又木 順子
軋み来る一両電車かげろひぬ
岩を裂くいのちひそめて菫咲く

小能見敦子
村宮に父祖の名のあり菫咲く
陽炎の川土手巡る一と日かな

山地 定子
煙草吸ふ卆寿の夫の陽炎へり
走り根に身をひそめをり花すみれ

北島美年子
ひとり身を通せし女や冬すみれ
かげろふやパンダのバスがゆつくりと

中島 勝郎
生き様をすみれの如くおくりたし
かげろふの中に溶けゆく轍かな
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